劣性遺伝病はどんな病気?

人は生まれるとき、父親と母親の両方から染色体を1本ずつ受け継ぎます。この染色体に何らかの変異があることにより生じる病気が遺伝病です。このうち、父方の染色体と母方の染色体の両方が、ともに変異を起こしている場合にのみ発症する病気が劣性遺伝病です。フェニルケトン尿症やアルカプトン尿症など、代謝性疾患に多いことが知られています。

劣性遺伝病の主な症状は?

劣性遺伝病にはウィルソン病や鎌状赤血球性貧血、肢帯型筋ジストロフィーなど、様々な病気がありますので、その症状は発症する病気によってまちまちです。ウィルソン病の場合には、黄疸が出たり目の周辺に茶色の輪状着色が出るなど、肝機能が低下します。肢帯型筋ジストロフィーの場合には、歩行や階段の昇降が困難になったりするなど、筋力低下の状態になります。

劣性遺伝病の主な原因は?

劣性遺伝病とは、両親のどちらかの染色体に遺伝病を引き起こす染色体を有する時に、その異常な染色体を持ったまま生まれることで先天的に遺伝病を持った状態になってしまう病気のことをいいます。この原因は、両親の遺伝子の中に組み込まれている遺伝子が発症因子となっており、何世代も前からこの遺伝子を持っている可能性が非常に高いのです。

劣性遺伝病の主な検査と診断方法は?

劣性遺伝病とは染色体に異常が発生したもので、多くの場合は何らかの病気を持っています。検査方法は基本的に血液検査になります。もし生まれてきたお子さんが病気にかかっていた場合は夫婦二人とも検査を受けた方が良いです。異常はなくても劣性遺伝子を持っている可能性があります。遺伝子の病気なので完治させることは難しいですが、対策はあります。

劣性遺伝病の主な治療方法は?

劣性遺伝病を治療するには遺伝子治療を行うことになりますが、この病気にはいろいろな種類があり、全ての病気に対して遺伝子治療ができるとは限りません。遺伝子治療が行える病気の治療法は、正常な遺伝子を細胞内に組み入れて、患者の体内でその細胞を正常に機能できるようにしていきます。最近では、正常な遺伝子を細胞に組み込むためのベクターが、安全で効率の良いものに改良されてきており、治療の精度は高まってきています。

劣性遺伝病の初診に適した診療科目