肥厚性幽門狭窄症はどんな病気?

肥厚性幽門狭窄症とは胃の出口にある幽門部が狭く、ミルクが胃より先に進まなくなり嘔吐を繰り返す病気です。ミルクの栄養を吸収しないために脱水や体重が増えなくなります。症状は出生直後ではなく、生後2週から3週後に現れます。治療には狭窄した幽門を緩める薬を服用させます。薬が効かない場合は狭窄した幽門を広げるラムシュテッド手術をします。

肥厚性幽門狭窄症の主な症状は?

肥厚性幽門狭窄症の症状は、生後2週間から3週間後に哺乳後の嘔吐でミルクを吐き出し発症します。ミルクは欲しがりますが、飲むたびにミルクを吐き出すために、続けば脱水や体重が増えなくなります。その為、便も出なくなってきます。そして嘔吐することにより胃酸が体外に出るので血液がアルカリ性に変わります。黄疸を認める場合もあります。

肥厚性幽門狭窄症の主な原因は?

肥厚性幽門狭窄症の原因は、胃の出口に存在している幽門部が、通常以上に厚みを持つことによって発症します。なぜ幽門部が厚くなるのかについての詳しいメカニズムについては、現在においても未だ解明されてはいません。幽門部での一酸化窒素合成酵素が不足しているという事が、この病気を引き起こしている要因となっているという指摘もされています。

肥厚性幽門狭窄症の主な検査と診断方法は?

肥厚性幽門狭窄症の検査方法は大きく2つ存在します。第1の検査法は超音波検査、いわゆるエコー診断です。患者の胃の幽門部の厚さが4mm以上有る。もしくは長さが16mm以上の場合にこの検査を実施します。第2の検査法はX線造影、つまりレントゲンによる診断です。通常は第1の検査法である超音波による診断で判明するのですが、レントゲンによっても見分けることは可能です。

肥厚性幽門狭窄症の主な治療方法は?

肥厚性幽門狭窄症の治療法は、外科的なものがメインとなっています。まず、入院後即座に輸液を開始し、脱水が改善され次第、肥厚した幽門筋を切開し、胃の内容物の通りみちを広げる幽門筋切開術を行います。通常、手術翌日から哺乳が可能となり、約1週間程度で退院も可能になります。近年では、腹腔鏡を用いたアプローチによる切開を行うケース、美容的な観点から臍に沿って切開する臍部弧状切開法を行うケースなどもあります。

肥厚性幽門狭窄症の初診に適した診療科目