肺吸虫症はどんな病気?

肺吸虫症としては、ウェステルマン肺吸虫によるものが広く知られています。ウェステルマン肺吸虫は、淡水棲巻貝中で発育し、モズクガニやサワガニのえらや筋肉に寄生します。そのため、感染したカニの生食などにより感染します。感染すると人の肺に寄生し、血痰が出るようになりますが、全身状態は良好であることが多いです。喀痰や糞便中に含まれる虫卵により診断することが可能です。

肺吸虫症の主な症状は?

肺吸虫症の症状につきましては、主に咳と血の混ざっている血痰です。また、肺に胸水が貯まったり、ガスや空気といったものが貯まった状態で自然気胸を起こした場合には肺が苦しくなります。そして肺吸虫が寄生する場所は肺に限ったことではなく、他の場所にも当然のように寄生します。中でも脳に寄生した場合には、脳腫瘍に酷似した病状を引き起こします。これは重症となります。

肺吸虫症の主な原因は?

肺吸虫症の原因は、肺に吸虫類が寄生することによるものです。日本では、宮崎肺吸虫やウエステルマン肺吸虫が人体に寄生することによって病気を引き起こします。感染源としては、モクズガニやサワガニなどの生食が挙げられます。吸虫類が肺に寄生した場合には肺に病状を起こし、一方で脳に寄生した場合には脳腫瘍のような病状の要因になります。

肺吸虫症の主な検査と診断方法は?

肺吸虫症の検査方法としましては、吸虫が居る部位には、胸部X線検査をします。X線検査で写真をとれば肺の影として映ります。場合によっては結核や肺がんと勘違いされることがありますが、便や痰の中から虫卵を検出されるのでそこから診断します。もしも虫が移動しているならX線検査で肺水貯留などが見つかる場合があります。肺以外ならば血清検査となります。

肺吸虫症の主な治療方法は?

肺吸虫症の治療法として、抗寄生虫薬のプラジカンテル(ビルドリシド)やビチオノールが使われます。プラジカンテルの場合、25mg/1kg、経口、一日三回、二日間の使用となり、80-100パーセントが治癒します。ビチオノールは30-40mg/1kg、経口、一日おきに10-15回となりますが、有害作用があります。胸水がたまっているときには、先に胸水を脱いてから治療をします。

肺吸虫症の初診に適した診療科目