医療法人社団 敬水会 江戸川橋鈴木クリニック のブログ

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今月胆嚢癌の透析患者さんが亡くなりました

今月胆嚢癌の透析患者さんが亡くなりました。普通の透析外来クリニックだとすぐに入院と透析の出来るホスピスに送るわけですが、うちの場合透析は最後まで通いたいという希望が以前にもあった関係でホスピスに入院しながら透析に来られます。もちろん送迎しています。費用も安いと思います。
でも大事な事は患者様自身が判断したという事なのだろうと思います。この方は今年の初めにエコー検査でたまたま見つかりました。癌専門の都立病院に紹介したところ手術出来るという事でした。胆嚢癌は胆管癌と同じ抗ガン剤はほとんど無効です。切れると聞いて助かったと内心思ったです。しかし患者さんが納得出来なかったようで、大学病院を紹介してくれという事で紹介し手術もする事になりました。ですが手術は5月、混んでいるので仕方ありません。ところが入院5日前に心筋梗塞を起こしてしまい、同大学病院に入院、手術で治りましたが引き続き癌の治療はしてもらえませんでした。予定取り直さないと手術できないわけです。大学病院は混んでるし同じ病気の方が待ってますから。退院して前の都立病院に早い手術をお願いしましたがこの時点で転移していて手遅れでした。
運命の選択が有ります。ご自身が選んだものもあります。最初に手術していればというわけでもありません、手術中に心筋梗塞になった可能性は大いにあったわけですから。大学病院の小回りのきかないシステムも禍かもしれません。
今も乳癌が有るのに大病院で心臓弁膜症の手術を勧められて受けて来られた方がいます。体力使うので術後やはり乳癌が広がってしまいました。この治療のために大病院から大学病院に紹介されています。
弁膜症を直さないと何年以内に何パーセント死にます、という根拠で行われた手術だけど、昔自分が大学病院にいた時は担癌患者+透析だとリスク高いから手術はしなかったです。もちろん何パーセントとはでてないです。
選択と運で余命が決まるのは何度も見てきましたが、何時の時も考えさせられます。やはり医者は命に向き合っていて、病気に向き合っているだけではないから。

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