遺伝性痙性対まひはどんな病気?
遺伝性痙性対まひとは、痙縮を伴って筋力の低下が徐々に脚部にあらわれるごく稀におこる遺伝性の病気です。どの年齢からでも発症する可能性があり、過剰な反射、痙攣、麻痺がおこるために歩行が困難となってきます。遺伝性痙性対まひは優性遺伝で、両親のどちらかがこの病気のばあいには子供に遺伝する確率は50パーセントです。通常症状の悪化がゆっくりとおこります。
遺伝性痙性対まひの主な症状は?
遺伝性痙性対まひの主な症状は萎縮、ひきつけ、脚部の痙攣であり、過剰な反射を示します。次第に歩行にも支障が出て脚の動作もぎこちないものになって来ます。そのため、歩行もフラフラになりつまずくこともあります。生命に影響を及ぼすものではなく、進行は緩やかであり青年期に至ると症状が安定して行きます。また、一割程度の方に、痴呆、末梢神経障害、難聴などの障害が起こります。
遺伝性痙性対まひの主な原因は?
遺伝性痙性対まひは、様々な年齢層において、男女関係なく起こりうる病気です。この病気は、遺伝性があり、約10万人に3人の割合で発症する病気とされています。もしもこの病気を持つ方に子どもがいた場合、その子どもがこの病気を発症する確率は50%とされています。つまり、この病気がおこるのは遺伝性を原因とする部分が多いということなのです。
遺伝性痙性対まひの主な検査と診断方法は?
遺伝性痙性対まひは、遺伝が原因で次第に筋力が低下して脚部の痙攣を引き起こすので、家族にこの病気をしたことがあるかどうかを調べることと、この病気と同じような症状がみられる多発性硬化症などの病気で歩かないかを判断することが必要です。また、血液検査を行うことで、遺伝性痙性対まひの原因遺伝子がないかを調べる検査方法もあります。
遺伝性痙性対まひの主な治療方法は?
遺伝性痙性対まひの治療法は通常、症状を軽減する治療が行われますが、車イス、スプリント、松葉づえなどが必要となってくる場合もあります。運動と理学療法は、関節可動域と持久力の改善、痙攣の緩和・予防、運動機能を低下させないなどの目的で行われます。またバクロフェン、ボツリヌス毒素、チザニジンなどの薬物で痙攣を緩和させる方法もあります。
遺伝性痙性対まひの初診に適した診療科目