老人性円背はどんな病気?

老人性円背とは、高齢者にみられる腰や背中が曲がって丸くなることを指します。脊椎の椎間板の変形や、骨粗鬆症で脆くなった胸椎や腰椎に力が加わり、圧迫骨折が起きたことが原因です。
女性に多くみられる症状で、骨折を繰り返すことで次第に丸くなります。重いものを持ったり、立ち上がったり、尻もちをつくことで圧迫骨折は起きます。
骨粗鬆症の場合、痛みなく圧迫骨折をするので気付かないこともあります。

老人性円背の主な症状は?

老人性円背では、背骨が亀の甲羅のように、緩やかに丸く突き出してくる症状が出ます。
特に痛みを感じる例は少ないですが、無理に丸まった背を伸ばそうとすると、背骨の骨折などを招き、場合によっては脊椎損傷となり、命に関わることがありますので、寝たきりで老人性円背の症状がある患者をベッドに寝かす時は細心の注意を払う必要があります。

老人性円背の主な原因は?

老人性円背は、加齢による骨の変形、摩耗や骨密度の低下が原因です。
脊椎の椎間板の軟骨が、老化により乾燥し、周囲の筋肉が固くなって変形したり、骨粗鬆症によって椎体がもろくなったところに力が加わり、押しつぶされるようにして圧迫骨折を起こします。
この骨折を、1度でなく数回にわたり繰り返すことで、徐々に背中が丸くなっていきます。

老人性円背の主な検査と診断方法は?

老人性円背は、自然と起こるものですから、つらい症状が現れることもありませんが、その検査方法である単純X腺撮影の画像を見ると、脊椎の椎体前部が、つぶれたくさび形に見えることで診断できます。
がんなどの転移による圧迫骨折で生じる場合もあるので、診断を確定するためには、血液検査やCT、MRIなどの検査を行うこともあります。

老人性円背の主な治療方法は?

老人性円背の治療法は、胸を無理のない程度に張ったり、背中を伸ばしたり、両肩を広げるなどの体操療法や、背筋力を付ける運動をしたり、姿勢を固定するために柔らかいコルセットやサポーターを使用します。
また、骨を丈夫にするためにカルシウムを多く摂取することも必要で、カルシウムの吸収を助けるビタミンDやマグネシウムも一緒に摂取すると効果的です。

老人性円背の初診に適した診療科目