拡張不全はどんな病気?
拡張不全(かくちょうふぜん)とは心不全の一種です。心不全(しんふぜん)とは病名ではありません。心臓はポンプとしての機能を持っていますが、それが低下して全身の臓器全てが必要とする血液を十分に供給できなくなった状態のことをいいます。高齢者では心不全の反応があるにもかかわらず収縮機能は正常な状態を保っている心不全のタイプの一種、を指していいます。
拡張不全の主な症状は?
心不全には、拡張不全と収縮不全があります。現れる症状としては、動悸、息切れ、むくみがほとんどで、最初は少しの運動で息切れや動悸が起こる程度だったものが、ひどくなっていくと安静にしていても、動悸や息切れがあり、呼吸が苦しくなります。高齢者に多いのが、このような体の異変が現れても、年齢のせいだからと受診が遅れることが多いので、少しでも異変が現れれば早く受診した方が良いです。
拡張不全の主な原因は?
おもな原因としては過労、ストレス、感染、心拍数の異常、不整脈、水分・塩分の過剰摂取などが挙げられます。虚血性心疾患、弁膜疾患、高血圧精神疾患、心筋虚血の順に多いです。血液を心房からうまく汲み上げる事ができず、肺や全身の臓器にうっ血が起こります。さまざまな疾患から心不全となり、収縮不全や拡張不全を引き起こすことがあります。
拡張不全の主な検査と診断方法は?
拡張不全の検査方法はCTとMRIでスキャンした映像を解析して調べます。レントゲンの画像を調べるのが標準的な検査ですがCTとMRIの性能が向上してきたことから、CTとMRIを検査に導入することが増えました。レントゲンと違いリアルタイムで立体的な映像を映し出せるメリットが大きいので、急速にCTとMRIを使った検査が普及しています。
拡張不全の主な治療方法は?
拡張不全の主な治療法として挙げられるのは、静脈うっ滞を改善する為に用いられる利尿薬が使用されますし、さらに心臓の拍出量改善の目的で強心薬が使われることが多いです。 さらに、その他血管拡張薬を併用することもあります。ここ最近では遺伝子組み換えヒト心房性ナトリウム利尿ペプチドも用いられることもあります。こうした心不全は様々な原因によって起こるので、原因によって治療も大きく異なります。
拡張不全の初診に適した診療科目