黄熱はどんな病気?
黄熱は、野口英世博士が本病の研究中に殉職したことで有名な病気です。ウイルス性出血熱で、南米やアフリカで見られます。熱帯シマカが媒介動物で、人から人へと感染します。皮下出血や歯肉出血、黒色の嘔吐、黄疸、乏尿、血圧低下のショック症状を呈します。致命率の高い予後不良の疾患です。発病から約1週間で治癒することもあるが、約10パーセントの人が死亡します。特効薬はなく、症状に応じた治療法しか今はないのです。
黄熱の主な症状は?
黄熱と言う病気に罹った場合における症状というものは、潜伏期間3日から6日後くらいに突然、発熱したり頭痛やおう吐、虚脱、背部痛などが起こります。軽症例の場合には、こういったものは3日から4日ほどで回復します。しかし、病気が重症化した場合には、腎障害や黒色おう吐、鼻や歯からの出血を起こしたり、子宮出血や黄疸を生じてしまいます。
黄熱の主な原因は?
この疾患は黄熱ウイルスに感染することを原因として発症するものです。アフリカのサハラ沙漠よりも南に位置する地域や中南米地域での感染が認められています。感染源は熱帯地域に生息している蚊に刺されたことによって、人間や人間に進化する途上で分岐した近しい存在である猿がその宿主になって感染を起こして発症するに至ります。致死率は高いものの、治癒すれば一生に渡る免疫を獲得することができます。
黄熱の主な検査と診断方法は?
黄熱の検査方法は、血液検査や尿検査を行います。白血球の数の減少や蛋白尿、腎機能の低下、血小板の減少を調べます。抗体を検出してウイルスに対する特異的な抗体値の測定をする方法もあります。組織の培養を行い、対象ウイルスが分離できた場合ウイルス抗原が検出できるので確定診断になります。ワクチンの接種歴、海外渡航歴、生活様式も診断の目安になります。
黄熱の主な治療方法は?
黄熱には、特異的な治療法がないため、主として対症療法がおこなわれます。ショック状態が起きることを常に念頭に置いたうえで、水と電解質の管理に注意が必要となります。特に、黄疸を発症しているケースの場合では、致死率20~50%という報告もなされています。ちなみに、本疾患は予防が可能であり、流行地域への渡航の際は、ワクチン接種が強く望まれます。
黄熱の初診に適した診療科目