バーター症候群はどんな病気?

バーター症候群とは遺伝性で、腎臓がカリウムやナトリウム、塩化物などのイオンを必要以上に排出してしまう病気です。小児の場合は発育不全が見られ、他にも脱水症状や筋力低下、尿が多くなる、喉が渇く、精神発達の遅れなどが起こります。治療には低カリウム血症を正常化させるための薬物療法と十分な水分補給を行いますが、完治させるための治療法はまだ確立されていません。

バーター症候群の主な症状は?

バーター症候群の症状は、筋力低下、極度の喉の渇き、多量の排尿、精神発達の遅れなどが挙げられます。ナトリウムと塩化物イオンを喪失するために、慢性的に軽い脱水症になるうえ、低血圧になることもあります。病型によっては、末期腎不全に進行してしまう場合もあります。小児の場合は、発育が遅く、栄養が行き届いていないように見えるのが特徴です。

バーター症候群の主な原因は?

バーター症候群における腎臓のTAL機能不全は、主に遺伝的素因が原因と考えられており、I型~V型に分類されます。I型では、NKCC2の機能異常に伴って障害を来し、II型では、ROMKの機能異常により、基質集合管も障害され、III型では、CLC-KBの機能異常で、曲尿細管に対しても障害があらわれ、V型では、CASRの活性化に伴うNKCC2やROMKの活性抑制によって障害されます。

バーター症候群の主な検査と診断方法は?

バーター症候群を見つけるには、血液検査、心電図検査等の検査方法があります。いずれも、病気であれば、低カリウム血症の検査所見がみられます。他には、腎臓針生体検査があります。腎臓に針を刺し、組織の一部を抜き取り、その組織を顕微鏡で見て異常がないか調べる検査です。尿量の調節を行う傍糸球体装置から、レニンという物質が過剰に分泌されていると、病気であると判断します。

バーター症候群の主な治療方法は?

バーター症候群における治療法のメインは、対症療法です。主に、低カリウム血症に対するカリウムの補充、低クロール血症に対するKCL経口投与、アルドステロン症に対するスピロノラクトン(アルドステロン受容体拮抗薬の一つ)の投与、またプロスタグランジンが過剰に産生された場合に対するインドメサシン(プロスタグランジン産成阻害薬の一つ)の投与などが挙げられます。