髄芽腫はどんな病気?

髄芽腫とは、14歳以下の男児に好発する悪性腫瘍の一種です。小脳の虫部と呼ばれる部位に発生することが多く、髄液を介して、大脳や頭蓋底、脊髄などに播種することがあります。症状としては、歩行寺のふらつき、頭痛、嘔吐などがみられます。外科的な治療が第一選択とされていますが、全摘できない場合は放射線療法や化学療法を併用して行います。

髄芽腫の主な症状は?

髄芽腫ができることで、水頭症による頭蓋内圧亢進症がみられます。小脳中部を中心に発生するため、小脳中部障害による体幹失調および眼球運動障害がでます。急速に進行しやすい性質があるため、腫瘍が増大すると、頭痛や嘔吐もひきおこします。またうっ血乳頭、不機嫌、無気力等も症状の一つです。乳幼児は頭痛を訴えることが不可能なため発見が遅れる可能性があります。

髄芽腫の主な原因は?

髄芽腫は、その細胞起源として外顆粒層細胞に由来するという説と後部の髄帆にあるとする説に分かれている。そのため、この腫瘍がどのように形成されるのかといった原因はまだ解明されていません。この病気でみられる最も一般的な遺伝子異常が17番染色体の長腕上の同腕染色体です。こうした遺伝子異常がこの病気を引き起こすのにどのように関与しているのかは研究途上の段階です。

髄芽腫の主な検査と診断方法は?

主に頭部単純CTや造影剤を用いて造影CTを行います。また頭部MRIも感受性の高い検査方法の一つになります。水頭症になっている場合には、慎重に判断しなくてはなりませんが、髄液細胞診も行われる場合があります。髄芽腫は急速に進行する性質があるため、骨にも転移することがあるので、骨シンチグラフィーと言う検査も行う重要性があります。

髄芽腫の主な治療方法は?

極めて症例の少ない髄芽腫という病気は、治療した経験のある医師そのものが全国的に少ないため、経験のある医師のいる病院を早急に見つけることが治療の第一歩となります。具体的な治療法としては全摘出しかありませんが、その手術経験のある医師が極めて少ないのです。ただし手術後に後遺症が出る場合がたいへん多いため、放射線治療という手段もあります。

髄芽腫の初診に適した診療科目