脂肪肉腫はどんな病気?

脂肪を含む細胞が悪性化する悪性腫瘍を脂肪肉腫といいます。身体のあらゆる部位に発生する可能性がありますが、大腿部や後腹膜腔によく見られ、30代から60代に多いとされています。特に痛みなどを感じず自覚症状に乏しいことが特徴ですが、悪性度が高く骨への浸潤がある場合は痛みを伴うことがあります。基本的な治療法は浸潤している可能性も考え、周囲の組織ごと切除する広範切除が行われます。

脂肪肉腫の主な症状は?

脂肪肉腫は病状が進行した場合は、出来た部分の周囲にある重要な器官を圧迫するため、いろいろな症状が現れはじめます。例として、膀胱を圧迫することになれば、尿が近くなり、腸を圧迫することで便秘気味になり、そして脚に繋がる神経を圧迫すれば足の痺れが出ます。また、足につながっている血管を押すことで下肢に浮腫みが出ることがあります。

脂肪肉腫の主な原因は?

脂肪のある部分から体内のどこにでも発生する可能性のある脂肪肉腫が発症するはっきりとした理由はまだ分かっていませんが、最近の研究では遺伝子の異常が原因ではないかといわれています。患者には、それぞれ共通の遺伝子異変が次々に見られるからですが、今の遺伝子レベルで研究が進められています。また、30代から50代にかけて多く発症する例も多いのですが、発症と環境的な要因との関連性も明らかでありません。

脂肪肉腫の主な検査と診断方法は?

脂肪肉腫の検査方法は、一般的には問診から始まります。まずは過去の病歴をきちんと調べあげ、どういった病気になったのか、そしてそれらが現在の病気に影響を与えていないかどうか、そこを調べます。それからX線撮影を行い、画像検査をするのです。それでもよくわからなかった場合には、MRIに入って全身の撮影を行い、造影があるかどうかを正確に調べるのです。

脂肪肉腫の主な治療方法は?

脂肪肉腫に最も効果的な治療法は手術による肉腫の摘出です。再発のリスクを低くするために腫瘍のまわりの組織ごと広く切除する広範囲切除術が行われますが、悪性度の低い場合は患者の体力の負担が軽い縮小手術が行われることがあります。抗がん剤や放射線治療のみでは効果が認められていないため、転移や悪性度など患者の状態に合わせて手術との併用で使用される場合もあります。

脂肪肉腫の初診に適した診療科目