多嚢胞性卵巣症候群はどんな病気?

嚢胞性卵巣症候群とは、卵巣に卵胞と呼ばれる卵子の入った袋がたくさんできて詰まってしまい、排卵障害を起こす病気のことです。卵胞が発育するのに時間がかかってなかなか排卵しないので、月経異常や不妊の原因のひとつとされています。
嚢胞性卵巣症候群の原因はまだはっきりとわかっていませんが、糖尿病と深い関係があることがわかってきたので、経口血糖降下剤を処方すると効果がある場合があります。

多嚢胞性卵巣症候群の主な症状は?

多嚢胞性卵巣症候群の症状としてあげられる事は数々あります。
月経のときに排卵が起こりにくい事によって、月経不順やそもそも月経自体がやってこない事があります。
それとは全く逆に、月経不順によって月経が普段よりも多く起きる事、出血の量が多くなります。
また男性ホルモンが増える事により、体毛の増加が見られたりにきびができたりします。
肥満の症状も多くみられます。

多嚢胞性卵巣症候群の主な原因は?

多嚢胞性卵巣症候群の原因は、未だにはっきりとは、解明されていません。
現在のところ、内分泌異常([LH:黄体化ホルモン]の分泌が増えて、[FSH:卵胞刺激ホルモン]とのバランスの乱れが起こり、卵胞がうまく発育できないような異常状態)や糖代謝の異常([インシュリン:すい臓から分泌されるホルモン]の量が異常に増加する状態)からなるものではないかと考えられています。

多嚢胞性卵巣症候群の主な検査と診断方法は?

嚢胞性卵巣症候群の検査はまずホルモン検査や卵巣の超音波検査などを行います。
そして、月経が不順である、卵巣に小さな嚢胞(卵胞)がたくさんある、男性ホルモンが高くなるなどホルモン値のアンバランスがみられる、の3つが揃うと嚢胞性卵巣症候群と診断されます。

多嚢胞性卵巣症候群の主な治療方法は?

多嚢胞性卵巣症候群の治療法は、主に排卵誘発剤を使用して、排卵の機会を増やします。しかし、重症度はさまざまであり、すぐ反応する場合もあれば、なかなか反応しないこともあります。なかなか反応しなければステロイドや漢方薬を併用します。また、それらを併用しても反応しない場合もあります。その時には注射を使用しての排卵誘発を行います。
妊娠を望まないケースでは低用量ピルを用いて、子宮内膜がんのリスクを回避するために定期的に消退出血を起こします。
また、過剰なインスリンが悪さをしているタイプのPCOSの人には糖尿病の薬であるメトフォルミンが排卵障害を改善する効果があるとわかってきました。

多嚢胞性卵巣症候群の初診に適した診療科目