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今回は『今から知っておきたい「おむつかぶれ」のこと』をご紹介させて頂きます。
ほとんどの子が「体験する」皮膚炎
「おむつかぶれ」は、赤ちゃんが生まれて最初に経験する肌のトラブルかもしれません。ママやパパがいくら注意していても、ほとんどの子が体験しています。蒸れや尿などの刺激によって、おむつに覆われた皮膚に炎症が起こります。医学的には「おむつ皮膚炎」と呼ばれる症状です。
赤ちゃんは、肌が弱く(薄く)デリケートで、刺激に対するバリア機能もまだ十分に整っていないため、わずかな原因でも炎症を起こしやすいものです。おむつが外れる2歳あたりまで、おむつかぶれを何度も経験する赤ちゃんは少なくありません。「おむつかぶれ」のことを今から知って、予防や対処に、ぜひお役立てください。
「始まりのサイン」を見逃さない!
おむつかぶれは、1歳以下の赤ちゃんの約70%が経験する湿疹です。症状に気づかずにいると、やがて激しい痛みを伴います。ママやパパが、早い段階で気づいてあげることが大事です。
赤ちゃんに、
(1)おむつを外すときに、かゆがる仕草をする
(2)お尻を拭くときに痛がる
(3)入浴のときに、お尻やその周囲にお湯がかかると泣く
といった様子が見られたら、「おむつかぶれ」が始まるサインと思ってよいでしょう。
「赤み」や「ブツブツ」がないか確認する
おむつかぶれのサインに気づいたら、お尻、腰まわり、性器や肛門の周囲、太ももの付け根など、おむつに覆われている部分の肌を注意深く確認してみましょう。肌に、「赤み」、「ブツブツ」、「ざらざら」が見られたら、それはおむつかぶれの初期症状です。
おむつかぶれは、対処が遅れて症状が悪化すると、患部が腫れる、ただれる、汁や膿が出る、水ぶくれやミミズ腫れのような状態にまでなります。すると、赤ちゃんは、かなりの痛みを感じることから、「すでにでも対処してくれるよう」激しく泣いて訴えることでしょう。そうならないためには、早めのケアが大事です。
原因の多くは、「蒸れ」と「尿・便の刺激」
おむつかぶれの原因は、1つとは限りません。複数の原因が重なって炎症へと発展しているケースが多く見られます。ほとんどの赤ちゃんは、「蒸れ」と「尿・便の刺激」が影響していると考えられます。汗などで、お尻の蒸れた状態が長く続くと、皮膚がふやけて弱くなります。そこに尿や便が付着すると、尿素、酵素、腸内細菌などの刺激から、湿疹、炎症があらわれやすくなります。
また、紙おむつでは、その素材がかぶれの原因になることがあります。化学繊維、ゴム、吸水性薬剤などが刺激となって炎症が起こる赤ちゃんもいます。さらに、おむつのサイズが小さいと、ウエストや足の付け根が窮屈になって、擦れて細かな傷が発生します。そこからから炎症が起こる子もいます。
おむつ替えで「こする」は厳禁!
おむつをこまめに交換し、清潔を保つことが必要です。おむつ替えのときは、
(1)炎症が見られる患部を「こすらない」
(2)ぬるま湯に浸したコットンを使い、肌は「ソフトにタッチ」する
(3)汚れはそっと「洗い流すように」取り除く
などを心がけます。霧吹きなどで、お尻を湿らせながら排泄物を取り除く方法もよいでしょう。
入浴のときは、沁みて痛みが出ないように、ぬるめの湯を使ってあげましょう。できるだけ、刺激の弱い石けんやボディシャンプーで、お尻やその周囲を優しく洗います。それでも痛がって泣くときは、お湯でさっと流すだけにしておきましょう。
症状が改善しない、対処に不安があるなどの場合は、「小児科」を受診します。治療には、塗り薬(軟膏)が処方されるでしょう。医師の指示に従って使用します。塗り薬の効果が見られないときは、「乳児寄生菌性紅斑(カンジダ菌が原因の皮膚炎)」の疑いがあります。再診して、医師に相談しましょう。
かぶれない「3つ」の予防策
おむつかぶれの予防は、
(1)清潔
(2)保湿
(3)乾燥
の3つがポイントです。おむつ替えはこまめに行い、お尻は常に「清潔」な状態に保つことが大事です。便がゆるめのとき、下痢をしているときは、少し面倒でも、ぬるま湯のシャワーや座浴で、お尻を洗い流す習慣をつけると安心です。
お尻を拭くときは、ゴシゴシこすらずに、湿ったコットンなどを使って、優しく洗い流すように汚れを取ります。お尻がきれいになったら、ワセリンなどを薄く塗って肌の「保湿」を心がけましょう。
お尻を洗ったあとや、お風呂上がりには、お尻やその周囲の水分をタオルで十分に吸い取ります。湿気が残ったままでおむつを履くと、「蒸れ」の原因になるからです。お尻をよく乾燥させてから、おむつをあてるようにします。おむつかぶれは、こまめに洗ってしっかり乾燥させることが大事です。すると、たとえ初期症状が見られても、症状が進行せず、多くの赤ちゃんはそのまま自然に治ります。