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今回は『ピリピリする腕の痛み「帯状疱疹」かも?』をご紹介させて頂きます。

水ぼうそうの「ウイルス」が再び

帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、水ぼうそうを起こすヘルペスウイルスの一種「水痘帯状疱疹ウイルス」によって起こる病気です。世界には、約160種のヘルペスウイルスが存在し、人間に感染するものは8種類といわれています。水痘帯状疱疹ウイルスはそのうちの1つです。

このウイルスは、はじめて感染したときは「水ぼうそう(水痘)」を発症します。水ぼうそうは、子供の頃にかかる人が多く、発症して約1週間で治ります。水ぼうそうを経験すると体のなかにウイルスに対抗する免疫ができるため、基本的に、二度と水ぼうそうを発症することはありません。

しかし、ウイルスが消滅したわけではありません。「水痘帯状疱疹ウイルス」は、水ぼうそうが治癒したあとも体の神経節(神経細胞が集まった部分)に残ります。そして、体調不良などによって免疫力が低下すると、潜んでいたウイルスが再度活動をはじめることがあります。今度は水ぼうそうではなく「帯状疱疹」として別の病気を発症させるのです。

年配者の病気でも「いまは若い世代」にも多い!

帯状疱疹が発症する引き金となる、免疫力の低下は、
(1)加齢
(2)ストレス
(3)過労
(4)病気
(5)ケガ
などが挙げられます。以前は50歳以上の年配者に多い病気でしたが、近ごろは20~30歳代の年代にも増えています。

免疫力が低下した体では、水痘帯状疱疹ウイルスが神経節から出て、活動を再開します。
ウイルスは皮膚に到達し、傷もないのに皮膚がチクチク(もしくはピリピリ)痛み、やがて、皮膚に帯状の水ぶくれがあらわれます。この帯状の症状から「帯状疱疹」と名前がつけられています。

刺すような「強い痛み」が起こる

帯状疱疹の症状は、堪えがたいほどの「強い痛み」が特徴です。水痘帯状疱疹ウイルスは、知覚神経に直接ダメージを与えながら増殖するため、衣類が触れるわずかな刺激にも、刺すような鋭い痛みを感じます。なかには、あまりにも激しい痛みのため、入院して治療する人もいます。

症状は、次のような経過をたどり、治るまでには約3~4週間かかります。

(1)皮膚にチクチクするような痛みが起こる
(2)痛みは次第に強くなり、痛む箇所に、赤い発疹ができる
(3)発疹のうえに、透明の「水ぶくれ」ができる
(4)赤い発疹と水ぶくれが新しくできて、帯状に拡がる
(5)水ぶくれは黄色に変色し、約6~10日して破れ、ただれる
(6)この頃が「痛みのピーク」になることが多い
(7)水ぶくれは、かさぶたとなり、痛みが引きはじめる
(8)約3週間して、かさぶたが剥がれ落ち、治癒に向かう

痛みのあらわれやすい箇所は、胸部、背中の上部、お腹が多く、手足、額、眼のまわりに出ることもあります。神経は体の中心から左右に分かれているため、発疹は(痛みも)「体の片側だけ」にあらわれるのが特徴です。また、痛みに伴い、微熱、リンパ節の腫れ、頭痛が起こる人もいます。

「痛みだけが残る」後遺症もある・・・

水ぶくれなどの皮膚の症状が回復したあとも、痛みだけがいつまでも残ることがあります。これは「帯状疱疹後神経痛」と呼ばれる後遺症です。発症年齢が若いと、破壊された神経は早く回復しますが、年配者の場合、回復に時間がかかり「帯状疱疹後神経痛」があらわれることがあります。

後遺症を防ぐには、帯状疱疹の治療を早くはじめることが大事です。体の片側の皮膚にピリピリする痛みを感じたら、すみやかに「皮膚科」を受診し、専門医に相談しましょう。

帯状疱疹が他人に感染することはありませんが、水ぼうそうを経験していない人には水痘帯状疱疹ウイルスが感染することがあります。家族に、小さいお子さんや高齢者がいる家庭は、十分気をつけましょう。

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